「バドミントンの普及」は「小中学校の体育館の夜間開放」とあわせて進めたいものです。公立中学にもバドミントン部をつくらなくてはいけません。

私は、10年前にぎっくり腰のリハビリとして、バドミントンを約25年ぶりに再開しました。その結果、バドミントンが日本に適した競技であることがわかりました。

バドミントンは体育館でやる競技なので、夜間でも雨天でもできます。日本では、都会にも田舎にも小学校の体育館があるので、いつでも、どこでもできます。

また、動きの速いボールではなく、緩急の差が大きい羽根(シャトル)を使うので、老若男女が、運動経験を問わず、それぞれの実力で楽しめます。「祖父母と幼稚園児」「親と中学生の子供」「男性と20歳若い女性」などが楽しいガチンコの対戦相手になります。

運動未経験者でも、初体験でほぼ全力で打てるようになり、その後の上達も実感しやすい。初心者に特に優しい競技なので、野球・サッカー・バレーボール・バスケットボールなどの経験者が猛威をふるっています。一方で、上級者にはとても厳しい競技です。福祉性と競技性を兼ね備えています。

バスケットボールやバレーボールは身長が高い方が有利ですが、バドミントンでは、すばやく反転できるので、足が短さも有利に働きます。卓球はボールの扱いが難しく、初心者には敷居がとても高い。しかも、大人が天才少年に負けて、大人の威厳が損なわてしまいます。バドミントンなら、ネットの高さと体力差で、大人が小学生に負けることは稀です。

屋外競技のテニスはコートの確保が大変で、ボールが重いので、腕や肩を故障しやすい。都会ではコートの利用料が高く、河川敷のコートは行きにくい。野球やサッカーは広い運動場が必要ですが、都会では学校の運動場は少年に占拠されています。ランニング・水泳・ゴルフは対面型の競技ではありません。

バドミントンの部活経験者は、若い世代だと1割ぐらいいます。どこかのクラブで運営方法を学べば、すぐに自分たちのクラブを立ち上げることができます。実際、本山第一小学校のバドミントンクラブ「プラム」を研修の場にして、近隣の小学校でもバドミントンクラブを立ち上げてもらいました。

個人でも同様で、部活経験がない人が四十代で始めても、10年続ければ、初心者指導ができるようになります。

クラブが新しいクラブを育て、指導者が新しい指導者を育てるという「指導の再循環」が整えば、地域の競技水準が爆発的に上がります。


実際、高校や中学の部活では、バドミントンの部員数が増加していて、高校女子ではまもなく部員数が最多の競技になるでしょう。男女合わせた部員数が多いのも特徴です。資料はこちら。


しかし、神戸市内の公立中学校にはバドミントン部がほとんどありません。男子の部員数は全国で44位。これでは世界で通用する選手が育ちません。地域の指導者を活用するなど、中学校にバドミントン部を創る環境づくりも急務です。資料はこちら。

私も、バドミントンクラブに参加している中学生に「ないものは自分たちで作るしかない。みんなで校長室に押しかけて、バドミントン部を作ってもらえ」とけしかけています。

上から目線で中学生に指示してながら、自分自身は「定年まで会社で…」では格好悪いのと、10年間、さんざん楽しませてもらったバドミントンへの恩返しとで、私も会社をやめて、立ち上がってしまいました。

(難易度:中、短期的効果:小、長期的効果:大)

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